ある生徒様のお母さんへ


○○様

こんにちは。川村です。川村塾のご利用毎度ありがとうございます。

遅ればせながらお礼です。
皆様からのお中元の商品券ありがとうございました。
おこころ使い誠にありがとうございます。ありがたく頂戴いたします。

【夏休みの授業の進捗状況のご報告】
◆英語:
英語は夏休み中かなり進歩があったと思います。2人で英語を声に出して練習していましたし、英語の構文の理解ができましたから、反応も早くなってきました。Sさん自身もその認識は十分にあると思います。今までの範囲の復習は大きなところで(こまかいところは別として)完了しました。あとは今後、不定詞や関係代名詞などのややこしい構文(実はそうみえるだけ)に出会うことになりますが、基本が出来ましたので、問題なく進むことが出来ると思います。
塾での余力があれば、英単語の暗記も塾で時間を取って行いと思います。

◆数学:
あとは数学なのですが、Sさんは「与えられた方程式を解く作業」いわゆる「計算問題」は完全に出来ます。あとは文章題から方程式を作りあげることが出来れば、方程式に関する分野の問題は完成されます。今のところ文章題から方程式をつくることもだいぶ慣れてきましたし、連立方程式の文章題から連立方程式を作る練習を多くすれば、方程式の分野は問題なくなると思います。

問題なのは、「関数」「グラフ」です。
いままで何度か、説明してはきましたが、まだ本人的には恐怖症というかグラフアレルギーを克服できないようです。私の説明も的を得ていないのかもしれませんが、とにかく苦手意識というか逃げたい気持ちでいっぱいのようです。

実は数学において、関数/グラフは方程式よりもさらに、重要な項目です。最重要項目といってもよいと思います。

ちょっと専門的になりますが、

●ある量は何と何の要素によって決まるのか?(つまり何の関数になっているのか?)
●ある量はそれらの要素をどのように操作すれば決まるのか?(その関数形はどうなっているのか?)

ということだけが、重要なのです。これは中学の数学でも大学の数学でもなんら変わりません。詳しくは下の【解説】をご覧下さい。
それさえ「あっ、そーなんだ」と認識してもらえればOKです。数学の世界が今後簡単で楽なものに変わります。

ですから、まだ時間もたっぷりありますし、これを避けて通るのではなく、立ち向かいたいと思うのですが、いかがでしょうか?
極端な話、夏休み中の数学は個別の質問以外はすべて関数とグラフに当てても良いと思います。
はじめから関数、グラフの問題を入試で「捨ててしまう」のはもったいないし、高校に入っても数学は伸び悩むでしょう。

とはいえ、押し売りはしたくありませんので、○○さんとSさんのご意見(決意?覚悟?)をお聞かせ下さい。


【解説】
たとえば例で示すと、

ある量を四角形の面積とします。
四角形の面積を決める要素はなんでしょうか?
そうです。縦の長さと、横の長さの二つです。あとは一切不要です。

では、四角形の面積は具体的にはその要素(縦の長さと横の長さ)をどうやって計算すればもとまるのでしょうか?

そうです。縦の長さと横の長さをかけるという操作で決まります。「その四角の中に1cmの真四角のタイル何枚ひきつめられるか」が面積の約束でしたから、縦3cm、横2cm の四角には6枚のタイルが引き詰められます。 

この例は小学校レベルの問題ですが、すでに関数の概念を十分に含んでいます。

・四角形の面積は、2つの要素(たての長さ、と横の長さ)で決まるということ。
 つまり縦の長さや横の長さが変われば、四角形の面積も変わるし、縦横の長さがはっきりしなければ面積を言うことは出来ない。ということです。

・縦の長さと横の長さをかけると四角形の面積を求めることが出来る。ということ
 ちなみに三角形の面積はさらに「2で割りなさい」という操作が入ります。

ということです。

ここからかなり専門的な話になります。
小学校でならうこの例は、2変数関数なので、中学で習う1変数の関数より実は内容が複雑です。グラフを書こうとすると、Z軸を追加して記述することになります。多変数関数は高校では平面の方程式に、大学で変微分の概念の説明にも登場するもので、小学校で習う「四角形の面積をもとめること」も奥が深いですね。決して馬鹿には出来ません。