九州大学入試前期二次試験の問題「数学理系」をやってみました。

基本的に奇問は無く良い問題だと思いました。

【1】
(1)
指数関数とxの一次式の積で与えれれる関数f(x)についての問題です。
f(x)は下に凸なグラフで、接線g(x)は当然f(x)の下に出来るのは容易に推測が出来ます。
g(x)は座標上のある一点を通り傾きが分かっている(f'(p))一次関数ですからその式は
中学生の皆さんでもかけますね。中学で習う図形の性質などもセンター試験等にも出ることがあります。
中学の勉強からしっかり基礎固めをしておいてください。

方針は
h(x)=f(x)-g(x)を 0<x の領域で増減表を書き 常に正であることを示せばOKです。

得に難しくありませんね。


(2)S(x)はh(x)のxが0からLまでの積分量で求まりますから
忠実に計算するだけです。

式の中で、xとeのx乗の積の項の積分がありますから、xの関数の積で与えられる項の積分公式:F(X)-g(x)-∫f(x)g'(x)dxを「持ち出そうと一瞬思うのですが、どうせその項は積分後xに依存しない定数になりますから、最小値を求めるにあたっては”ある定数”としておけばよいですね。

あとはs'(x)を求めて増減表を書きます。因数分解で悩むなら、解の公式でさっさとs’(x)=0となるxを求めても良いでしょう。

【2】

(1)代入計算だけの点稼ぎ問題です。あと(2)の方針を立てる誘導になっています。

(2)行列と数学的帰納法を用いて、n番目の一般項をnで表現し、nの極限をとる問題です。

特に難しくないでしょう。


【3】
3次元空間におけるベクトル、内積、平面、余弦定理、立体の体積をもとめさせる問題です。
順を追って未知数を決めてゆくプロセスになっています。
なかなか良問といえるのではないでしょうか。

図形問題はある程度アプローチ方法が決まっていますから、少なくてよいので良問をいくつか解いて本質を理解しておくと良いでしょう。
何が分かれば何が分かるのか?それを求めるためにはどの関係式、公式を使えばよいのかの判断を出来るようにしておきましょう。余弦定理や平面との距離など公式は覚えてはいますが、使うべきシーンで使えない人は多いような気がします。


まずは出来るだけ正確な図を書くことから始めましょう。

(1)底辺と高さが直交することを示せたので、各点間の距離を計算して
三角形の面積=底辺×高さ÷2で求めます。


(2)sinΘを求めるには、正弦定理か余弦定理を使うしかありません。
 正弦定理では注目している三角形の辺の長さがわかっても内接円の半径が分からないので使えません。
余弦定理は3辺の長さが確定できればCOSΘは求まるので後は(sinΘ)*(sinΘ)+(cosΘ)*(cosΘ)=1から
sinΘを求めます。

また平面と点との距離は法線ベクトルは平面と垂直だから、今求めたsinΘを使ってOH長を求めることが出来ます。

(3)平面に対して線分hpが三角錐の高さに相当するのでその長さを最大にすればよい。
 平面の法線ベクトルを延長して球の中心(0,0,0)から半径√(a*a+a*a+b*b)をOHに足せばよい。


【4】
(1)二次関数と確率を絡めたユニークな問題ですが難易度は高くないですね。
実数解を持つことから判別式Dが正の条件を満たすa,b,cの組を見つける。

(2)解が有理数になるためには、判別式Dが実数の2乗であれば解が分数の形となる
したがって b*b-4acが整数の二乗になるa,b,cの組を見つける。
D=0は√部分が0となり、異なる二つの有理数解にならないので除く。


【5】
周期関数は周期をpとするならf(x+p)=f(p)と書くことが基本ですが、ここでは大局的に見てみましょう。

(1)関数が負であれば-を掛けるのが絶対値の定義ゆえ、サイン関数の負の部分をプラス側に倒せばよい。周期はπ。

(2)abs(sin(mΘ))はY軸に対して対象であり、sin(nΘ)は原点対象な関数であるからその積は原点対象である。x=0で関数の値は0であり、周期がpであれば、その周期の半分のxの位置では関数がf(x)=0を通るのは容易に予想がつく。

あとは(3)に誘導する問題がありますが、

(3)は abs[sin(mx)]か、またはsin(nx)を包落線とした関数とみなせるので、それぞれの周期(2π/m ×1/2)と(2π/n)の最小公倍数という考え方もあります。