密度の違う2液層内にまたいで、1つの物体がつりあう条件

基本事項: 浮力は浸かっている液体の密度と、物体の存在によって吐き出された部分の液体の体積、との積に比例します。※

さて、問題ですが、これらの選択肢から選ぶとすればdしかありません。

最終的に物体は、水から与えられる浮力と油から与えられる浮力の総和によって支えられて上下方向につりあっています。

水は単独で3ブロック、油は単独で5ブロックの水をはき出せばその浮力により物体を支えることができます。(図4,5)
いま力の強い(密度が大きい)水君は3人、力の無い(密度が小さい)油君は5人がかりで物体を支えると考えてください。

選択肢の中で物体は両方の層に存在しますから、水君と油君共同作業することになり、水君は3人未満、油君は5人未満で足ります。
水君が3人よりも多くいたら油君の力を借りなくても浮力が大きいので物体は上に移動してゆきます。(なので図abcは捨てられます。これらの状態ではつりあわない)
図eは油層に既に6ブロック(6人)いますからそれらの発生する浮力により物体は下の水層には触れず油層のてっぺんから空気中に少し頭を出します(図5と同じ結果に)

とまあそうなるわけですが、実はこの解答はdも間違いです。空気中に頭を出さず、2層に共存した状態で物体が停止しつりあうには、下層の液体の密度より上層の密度が半分未満であることが条件※ですが、この問題では3/5であるのでd状態にはなりえません。まじめに解くと水層に存在するブロック数が-1.5個と負になってしまいます。ですから水層の水面下のブロック数を2個にするか、油層の水面下のブロック数を7以上にするか、の問題修正が必要です。

※の証明は省略いたします。