理科の指導で感じること

「教科書に載っていることを教える」「テストに出ることを教える」
教科書以外は児童が混乱するから教えない、テストで児童が良い点数を取らないと指導者としての評価にもかかわる。授業時間数もが限られている。ということもあるのでしょうが、私の考えからすれば、まず、理科の面白さを伝え、興味を引き出すには、結果的に同じことを知ることにはなるのですが、教科書とはもっと違ったアプローチがいくつか考えられます。
 
ものの溶け方を指導するときに、湯銭で少しずつ溶質の量を増やしてゆくとか、溶媒の温度を上げてゆくとかは大事なことともいます。費用に関しても、専科の先生が学校事務の先生に遠慮がちに実験器具の購入のお願いにいっているようですが、私ならカタログにある既製品を購入せず安く自作できるものは自分で作って、たかだか8グループ×4クラス分合計2000円程度の砂糖を買うぐらいの予算を浮かせます。そこはケチるところではないと思います。食塩が溶けないのに比べて砂糖のまあなんと溶けることか!(溶媒の質量以上に溶けてどろどろの粘性の高い液になりますね)を体感することが発見と驚き、そして物質によってこんなにも性質が違うのだ!ということを肌で感じることが出来ると思います。(理科嫌いな子が、大人になっても印象深く記憶に残っている実験のひとつや二つしてあげたいと思います。)そしてなぜ?という疑問が今後の勉強の興味につながって良くのだと思います。
 
おそらく、学校の先生としては「なぜモノによってそんなに違いがあるのですか」という素朴な質問が怖いと思います。
うそではなく、子どもたちにもある程度納得できる形で、説明することができるか?
 
「自然がそうなっているから」 というのももちろん正しい回答なのですが、
 
分子量の違い、(溶質の重さが同じでも、一粒の大きさ(重さ)が違うので、実際に砂糖は粒数が少なく水分子とペアを作ることが出来るから溶ける) 温度依存性については、溶解熱、 ルシャトリエの原理などを、なんとなくでも子どもたちにもわかるように伝える努力をし、子どもたちがわからないなりにも「へえ~」「ふーん」 「なんか難しいけどいろいろな理論付けがあるんだな。」
と思ってもらえればよいのかと思います。
さらには 「将来はそんな勉強がしたいな」と思ってくれる子がいれば、 そういう子が将来の日本の科学を支えていってくれるのかなと思います。