「ルートなんて勉強したって、意味がないですよね。生活で使わないもの」
「そうですね。僕も実生活では使ったことないですよ。」
「ところで、Sさん、同じ数を2回かけあわせて16になる数は知ってる?」
「4」
「そうですね。4ですね。あと-4でも良いですね」
「では同じ数を2回かけあわせて17になる数はしってます?」
「…。ない…」
「あるのはあるんです。4.123… でも面倒ですから、2回かけて17になる数を
√17と呼ぶことにしました。逃げているというか卑怯という感じもするけど、
うまいことしたなという気もしませんか?」
「へー」
「ルートを使わないと二次方程式を解くときに困るんですね。だから
二次方程式を勉強する前準備として√を勉強しているんです。」
「ルートは生活には使わないし、専門分野に行く人が知っていればよいけど、
そもそも数学なんていうものは、答えを出す過程(プロセス)を自分で
作ることができるかの練習と思っています。日常で役立つ、役立たないといった
視点で判断するのもひとつの見方ですが、私はそう捉えています。」
「答えを出すために必要な情報を集める、そしてその情報を適切な定義式や関係式に当てはめて答えを求める。」そういった一連の流れを、論理的に組み立てることは数学にかかわらず物事を考える上で大切なことですね。そのために、数学はひとつの手段を提供しているのであり、それが目的と思わないほうが良いかもしれません。
頭の体操。パズルを解いている感覚で気楽に問題を見てみると、結構楽しみながら論理性、考える力を身につけることができるかもしれませんね。